年末、ながら大垣へ
2019年も終わりに迫った12/29、東京から大垣まで夜行快速・ムーンライトながら号に乗車した。
親・兄弟一同家族は翌朝の新幹線で来て合流し年末を京都で過ごすことになっている。
発車よりもずいぶん早く20時ごろには都内の自宅を出る。
今回は貧乏旅行者にはお馴染みの青春18切符を使用するが
日を跨いだ時刻でその日の消印を押す節約術はよく知られていて、
ながら号の場合は0:30に到着する小田原駅まで別途普通乗車券で向かい
0時を回った時点で改札を通るのが貧乏乗客の通例となっている。
僕ももれなくその術のお世話になるべく小田原駅までの乗車券を購入。
小田原までは東京からの湘南ライナーで向かい、ながら号に乗り換えるつもりでいたが
よくよく考えてみればこの時期の会社は年末休みに入っていて、お客が駅に来ないなら
と湘南ライナーも運休していた。
浮世離れしている学生にそれを勘案する想像力は備わっていない。
ながら号には始発の東京駅から乗ることにして、
父と子3人が寝台特急を見てワイワイやっている。乗車するのだろうか。
今日は彼らの同じくらいの楽しみを伴っているから嫉妬すべき対象にも自然と微笑みが浮かんでしまう。
電光掲示板一杯に「快速 ムーンライトながら」の文字が詰め込まれている。
その下には「満席」の文字が踊る。
23:00頃、ながら号がようやく入線。
オタクが居座り殺伐としていた10番ホームから解放されるべく足早に車内へ。
隣は大きなトランクを抱えた初老の男性であった。
席に座り窓にもたれていると隣の男性はごく自然な動作で先客の後方に座る客に断りを入れてからリクライニングをした。
私もそれにならおうとしたが後方客が座る時にはすでに私が座席を倒していたし、今更断るのも何だか気恥かしい。
僕は一瞬の思考のうちにダンマリを決め込むことにした。
発車してすぐに検札を済ませると一気に眠気が襲う。
ここで眠って浜松駅の長時間停車や闇を切り裂く爆音エンジンを味合わないのはいささか勿体ない気がしたが、本来の用途を考えれば豊橋駅近くまで眠ったのは正しい選択だったのではないかと思う。
名古屋に着くとトランクを抱えた男性は下車した。
男性の膝と前の席の背もたれとを隙間なく埋めたトランクのおかげで私はトイレに行く気も起きなかったわけであるが、
私が便が近かったり、徹夜して駅に着くたび席を立つタイプの人間であったらお互い大変な思いをしたと思う。
5:45、まだ暗く雨が降る大垣駅に到着。
思えば昨夏の初のながら号乗車の際も雨に降られた。
残念ながら今度乗れる機会を指で数えて車内の過ごし方を熟考する必要があるほどに貴重な存在となってしまった夜行快速だが、弱冠14で2度も乗車の機会に恵まれたことに感謝したいと思う。
昨晩サンライズ号の側で見たはずの親子は
続行の米原行きの車内で眠っていた。